「日本の農業が必ず復活する45の理由」 浅川 芳裕著 文芸春秋社
私はどんな情報が欲しいのか、読んでいてそれがわかってくる「書」
膨大な日本の「農業の現場」と「農政と利権」 その解決策を明示した
「生産的な」書。最終章の提案の根拠も、それまでの章でしっかり書かれている。
後は読者がデータの裏付けを取りどう実行するか。
問題点の洗い出しは、震災・TPP以後に「農業」に目を向けた人にも
最適だと思います。
浅川氏は、田原宗一郎氏などとも、福島の農業の復活・再生の討論にも
参加され説得力があります。
遺伝子組み換えの箇所はは、なかなか真偽を飲み込めないところもあるが、
TPPは、安全保障政策の絡みで、米国に押された中、
それを踏まえて、「じゃあどうするのか」「どう知恵をだせばいいのか」へ目を開かせてくれる。
「再生可能エネルギー政策論
~買い取り制度の落とし穴~」
朝野 賢司 エネルギーフォーラム社
本書冒頭に、
~日本人は、イメージの中で、ドイツに対して
「再生可能エネルギーの大量導入により、環境と経済の両立に成功した国」と抱いているはず。
その「通説」と「現実」を示す~
スマート・グリッドやエコシティも、それで利権を得ようとする企業が存在する。
政府は、万遍なく徴収される税金から、メディアは広告収入が必要だから、
その企業群の先行投資とイメージに積極的に寄り添う。
必ずしも、すべての国民がその恩恵に与かれるわけではない。
原子力行政で「嫌な思い」をしたばかりでは?
難解で、論文なども取り上げてあるが、少しずつ理解していきたい。
「脱原発社会を創る30人の提言」 コモンズ社
国民必読ともいえる書。
誤魔化す、くさいものにふたをする、見てみぬフリをする。
日本人の綺麗好き、事なかれ、「和」の美徳が、
衆愚を招いて、自らこの惨禍を協力して防ぎ得なかった。
この事実をしっかり踏まえ、提案される30人は、それぞれの分野の
我々の信頼に足る生活安全問題の預託者、権力の監視者、
そして未来への預言者といえます。
本当に「感謝」の一言。
じゃあどうするかに答えてくれる書。
無駄な、言い換えなどの文章はなし、難解ではない。
御自宅へのエネルギー導入事例を交えて話す。
「マイクロガスタービン」初心者にも、「なるほど」となる。
開沼 博のフクシマ論、原子力ムラは、なぜうまれたかをよみました。
自らの地域開発・地域振興の欲求の前に、「ゲンパツ」「原子力」があった不幸。
その本質を脱原発論者は、見抜いているのかどうか、これを明確に暴いていますが、
2項対立は解決にはなりえない、悪玉を時代によって、コロコロかえるのは
民主主義の他力本願のあやうさにも通じるもの。
具体的な、未来な解決方法は、には触れていないが、その同じ轍を踏まぬため、
こうなるにいたった日本人の「性」「中央―地域」の構図をしっかり見ておかねばならない
と思わせる。
自ら大学院の研究時に執筆した内容が大半(震災直前まで)で、
浪江町など、福島の原子力ムラへのフィールドワーク、労働者へのインエタビューを重ねているからこそ
感じられる説得力。真摯さが感じられる。
ただ社会学の用語など、同じ内容を言い換えへて意見を強めたい意図が感じられる。
表現にやや「チャレンジ」感があり。
東北随一の広域新聞社(46万部)より発行の写真集。
English version here
http://www.kahoku-ss.co.jp/tsunamienglish.html
ナオミ・クライン(カナダ人ジャーナリスト) 著
The Shock Doctrine: The Rise of Disaster Capitalism(『ショック・ドクトリン:惨事活用型資本主義の勃興』)
so horrable !! 便乗商法にまみれた世界の歴史を、我々は知らねばならない。
新しい教育と文化の探求
河合隼雄
西洋に強いとされる個の倫理、
日本に優性だとされる場の倫理。
1978年の著した当時すでに
「アメリカの現代の社会情勢の混乱」を延べ、
西洋の個の倫理が、場の倫理より勝っているとはいいがたいと述べている。
現在のアメリカのみていえるのは、
何かしら共同体のルールがなければならにこと、
永遠の経済の進歩などありえないこと、が見て取れる。
著者が、臨床心理の場で、「対人恐怖症」の人を診察する場から
踏み込んだ意見が、今にも通じるものがある。
つまり、彼らが、「場の倫理との戦いの先頭に立っている」というフレーズだ。
社会不安の解決の根本については抽象的だが述べているので上げておきたい。
将来への提言としては、比較的わかりやすい言葉で語られている。
「この世界においては、場の力学による権力の‘座‘はあるにしても、
権力者という‘個人‘は本質的には存在し得ないのである。
このことに気ずかぬ人は、西洋のモデルの権力に対する戦いに従って
自分の行為を意味ずけて努力するが、たとえそれが成功したかのように見えても、
たかだか場内の順序の変更にとどまるくらいで、本質的な変化はなにも生じないのである。
ここでもし本質的な変換を求めるならば、場の順序ではなく、
個人の能力に基ずく順序を確立すること、
真の意味の権威の確立をこそ願うべきかも知れない(同、p142)」
-渡辺
HPはこちら
http://livingwithoutmoney.org/
You tube
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「できない理由をさがすのではなく、どうやったらできるかしか考えない」という言葉に
何か根底から揺さぶられた気がします。
本当に素晴らしい本です。-山片
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地域通貨、中立貨幣に関して
勉強し始めたばかりです。
ドイツでも交換リングや地域通貨がいくつもあるようなので、
ドイツ語の勉強も兼ねて調べています。-山片
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ムハマド・ユヌスさんについて。
「ソーシャルビジネス」が資本主義経済と共存、競争していくことにより多くの人の
価値観の転換が起こっていくのかもしれない、と思います。
itunesはこちら、
http://itunes.apple.com/jp/podcast/free-the-future-radical-price/id325694782?l=en
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